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世界ふしぎ発見で紹介

●ローマ法王が認めた日本の彫刻家:奥村信之

バチカン宮殿の奥深く一般の立ち入りが硬く禁じられた部屋に

ヨハネ・パウロ2世のブロンズ像が飾られている

世界平和に尽力した偉大な法王の像を作ったのは一人の日本人 彼は今、ブラッチャーノという小さな町にアトリエを構えている

紀元前に掘られた洞窟で日々創作に打ち込んでいる 1985年、30を超えた奥村は、拠点をイタリアに移した

ミケランジェロ、ベルニーニといったルネッサンスや

バロックを代表する巨人たちの作品を間近にし、

芸術の息吹を感じながら彫刻に取り組みたかった

折からのバブルでイタリア在住の日本人彫刻家には日本からの仕事が殺到

しかしバブルが崩壊すると生活は一変、収入は全く無くなった

救いを求めてイタリアを代表する彫刻家:エミリオ・グレコの門を叩いた

自分の作品を見てもらった

「お前の資質はリアリズムにある。血の通った作品を作れ」と言葉を貰った

相変わらず収入はなく蓄えを食いつぶす生活だった

 

骨格、筋肉、重心の位置、基本から勉強し直した

人間をひたすら観察し、

肉体が透けて見えるようになるまで感覚を鍛え上げた

作品を創り上げては、グレコの下に通う

そんな生活が5年も続き、道しるべだった師匠も世を去った

 

そんな折、夫人を介してボルゲーゼ公爵の像を作る事に

週2回、屋敷に通い半年かけてあらん限りの情熱を注ぎ込んだ

完成したブロンズ像を見た公爵は、押し黙り、ただただ感動していた

リアリズムを極めた像からは人間の内面も浮き上がってくる

 

奥村の名は一気に広まった

そしてカトリックの有力者から

法王ヨハネ・パウロ2世の在位25周年に贈るブロンズ像を依頼される

カトリック教徒11億人の頂点に立つ法王をどう表現すべきか?

写真をつぶさに観察した奥村は、作品にひとつの想いを込めた

法王のエネルギッシュだった60代、威厳にあふれる80代、2つの横顔を刻み込んだ

隆起する血管は若々しさを、ふくよかな輪郭は風格を

2003年、在位25周年記念式典、像を完成させた奥村は法王の前に立った

「ありがとう。ありがとう」と法王は感謝し喜ばれた

 

ブロンズ像はバチカンの心臓と呼ばれる宮殿の一角に置かれている

その反対側にも同じような胸像が置かれていた

それはベルニーニ作のウルバヌス8世の胸像 (3012)

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